はぢめてのマーケ

はじめてマーケティングをやる人にむけてつらつらと書いていきます

マーケティングについて〜誰に売るの?〜

前回の記事にて何かを売るまでの心理変容とコミュニケーションの流れについてお話しました。ただ、お伝えした内容ではコミュニケーションとしては片手落ちです。

というのは、「誰」にコミュニケーションするのかが決まっていないからです。

マーケティングにおいては誰ににコミュニケーションをするのかを考えることが最重要だと僕は考えています。イメージしてほしいのですが、前回の豆腐を売るケースでも誰に売るのかでコミュニケーションのイメージは変わってくるかと思います。

健康志向が高くオーガニック食品しか買わない女性、一人暮らしを始めたばかりの若い人、子供が5人いる大家族の主婦など、誰に売るかによってコミュニケーションの仕方は変わるのは明らかです。オーガニック食品しか買わない人には添加物を使っていない豆腐を健康に良いという切り口で伝えるべきであり、一人暮らしを始めたばかりの人には自炊に豆腐がどれだけ役に立つか、簡単に作れるかをレシピなどと一緒に伝えたほうが良いかもしれませんし、大家族の方には値段の安さをアピールするべきです。

このように、コミュニケーションを考えるには「誰」を対象にするかを決めることが重要です。これができずには中身のないコミュニケーションになってしまいます。

誰かを考えてコミュニケーションの流れを考える

あらためて、今回は仮に「一人暮らしを始めたばかりの人」にコミュニケーションをすることを考えましょう。そこで一人暮らしを始めたばかりの人を明確にイメージできるよう、仮にプロフィールを考えます。

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この方に売ることを考えてみましょう。

前回、コミュニケーションを考えるときと比べてかなり臨場感を持って考えられるのではないでしょうか。重要な点は対象の価値観、関心事を意識することです。商材によってはコンプレックスなどは大きな関心ごとなので、そこを軸にコミュニケーションを考えます。今回のおかめさんは関心事はお金ですね。生活費の節約です。そのため、価格訴求がコミュニケーションの軸となります。

次に行動を促すに当たっての障壁を考えてみましょう。価格訴求でおかめさんに買ってもらおうと思ったときに、購入の妨げになってしまうものです。おかめさんは一人暮らしをしたばかりですし、彼氏もおらず実家でも料理をしていなかったため、料理をする機会は限られていたと思われます。そのため、「豆腐は安いけど、どう料理すればいいか。。。」となってしまうかもしれません。その点を考慮してコミュニケーションを考えましょう。

改めてコミュニケーションの流れを考える

改めてコミュニケーションの流れは下記のようにしてみてはいかがでしょうか。

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おかめさんは自炊が節約できることは意識しつつも外食などで済ませることも考えているかと思います。そのため、まずは「外食費を節約」という切り口で自炊に頭を向けさせ来店を促します。

一方自炊しようかと思ったものの実際に食品を見て何を買って何を作ればいいのか分からないという事実に直面します。そこにレシピを書いた冊子、紙などを渡し、障壁を取り除きます。

最後に何を作るのか具体的に考え始めたおかめさんには「豆腐料理を覚えるとこれから便利」という点を伝え豆腐を買いたいという気持ちに促します。

どうでしょうか。前回と違いコミュニケーションの内容に深み、意図が生まれてきたかと思います。このように、誰にコミュニケーションをするかにより大きく変わることがイメージできるかと思います。

で、どういう人を対象に考えましょう?

コミュニケーションの対象を考える重要性は分かったかと思います。

ではどのような人に注力したらいいのか、という話になるかと思います。答えは簡単で基本的に数と質です。つまり「買ってくれそうか?」、「同じような人がたくさんいるのか?」ということです。今回のお話で言うと新卒は毎年生まれますしそこで一人暮らしをして、自炊に困っている人は一定数います。その人達に買ってもらうことはそこまで難しくもなさそうです。一方オーガニックに興味がある人はそれよりは少ないのであまり注力しなくてもいいかもしれません。

「それは分かった!では、どうやったら数と質が多い人を考えつくのか!?」という疑問になりますよね??その回答としては「やり方は簡単ですが、精度は難しい」ということになります。

やり方は今回のお話を実行するだけです。

数に関しては豆腐を買ってくれそうな人はどんな人がいるのかを考えて、その人がどのくらいいるかをイメージする、ということになります。質に関しては、買ってくれそうな人へのコミュニケーションの流れを考えれば購入の難易度はイメージできます。

この「イメージをする」ということが非常に重要でどういう人が最近多いのか、その人がどういうことを考えているのかは実際にスーパーに言って見てみること、ニュースなどを見る、雑誌などを読むなどをして考えていきます。また場合によっては人口統計、Webなどに出ているアンケート結果を見るなどをするとヒントになります。

マーケティングの必須スキル

前回、今回お話した内容は流れを押さえれば誰でもできます。ただ、数と質も踏まえて考えるということは基本的にマーケターでないと高い精度でできないことです。

そのため、マーケターとしては「誰にコミュニケーションを取るか」ということを考える。それを妥当かを示す思考のプロセス、材料を持っているということが必要だと言えます。この作業が「ターゲティング」です。マーケティングをしていく上でターゲティングという言葉はよく出ます。でも横文字系の言葉はなんとなく使っている人が多く、言葉の重みがないように思います。ここまで「コミュニケーションを取る対象」の重要性を認識した上でターゲティングという言葉を使えると言葉の範囲、意味合いが理解できるかと思っています。

本ブログではあまりカタカナ文字は使いません。僕の経験上ですが、カタカナ語は危険です。情報のやりとり、共通認識を持つために便利なツールは明らかに日本語です。それを差し置いてカタカナ語を使うことは誤認を招く一番の原因になります。そのため、マーケティング用語などについてはぜひ注意してみてください。