はぢめてのマーケ

はじめてマーケティングをやる人にむけてつらつらと書いていきます

マーケティングについて〜売れるまでを考える〜

前回の記事では行動変容を起こすには心理変容を促すといいう話をしました。

今回、お客様にものを売るまでを深掘りするのですが、前回のお話から、前提条件として「心理変容≒行動変容」と考えます。行動の裏にはその行動を裏付ける気持ちがある、ということです。

それを踏まえ、購買行動を考えてみましょう。

まずは行動分析

前回の記事と同様にある人が豆腐を買う、という行動を考えます。

これを心理と結びつけると「豆腐がほしい」「豆腐を買う」と心の中で決めたときに購買という行動に結びつきます。ただ、これだけだとざっくりすぎます。この前にどのような行動があるのかを考えてみましょう。仮におかめさんが町の商店街にあるスーパーで豆腐を売っていると考えます。

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このおかめさんがスーパーに行くきっかけから購入までの流れを考えてみます。ここはマーケティングのテクニックというよりは単純に想像を張り巡らせましょう。

1.まず商店街にあるお店なのでおかめさんは商店街を歩いています。
2.店の前を通り店を見ます。
3.店の中に入ります。
4.店の中の豆腐が置いてある棚の前を通ります。
5.豆腐を取り、レジに向かいます。
6.豆腐を購入します。

どこまで細かくするかは、そのときどきによって変えますが、今回はこのくらいの粒度で考えましょう。場面場面を分けると下記のような図になるかと思います(この場面1つ1つを「フェーズ」と呼びます)。今まで購入のタイミングは「豆腐ほしい」としていましたが、レジという部分と購入完了した場面を分けるとしたら「豆腐ほしい」という状況はレジに向かっている段階になると思います。

 

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では上記のステップにおいてどのような感情・気持ちを持っているのかを考える必要があります。まずは下に行く前に想像してみてください。

行動に合わせた心理を考えよう。

今回の豆腐の購買プロセスに心理状態を入れるとしたら下記のようになるかと思います。

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・商店街:何を買うかは決めていないが商店街にいるので買い物を検討している。
・店の前:スーパーを見て食品購入を検討している。
・来店:食品購入を決めた(本当は化粧品とかもあるけど今回は簡略化)
・棚の前:豆腐が目に入り、豆腐購入を検討
・レジ:豆腐を手に取る(豆腐購入を決定)
・購入:購入完了し、料理のことなど次のことを考えている。

ざっくりこのような流れになるかと思います。ざっくりしているのには理由はありますがまた別途。

コミュニケーション設計

ここまで考えられれば、次はコミュニケーションの検討となります。前回の記事で伝えたようにコミュニケーションは行動を促すために使うので、その地点のフェーズには次のフェーズに進めるためにどんなコミュニケーションが必要なのかを考えます。

なんとなくイメージもわくのではないでしょうか。

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<商店街→来店>

ここではスーパーに興味を持ってもらう意識づくりが必要になります。そのため、今回は新鮮な野菜をスーパーの店頭に出し目に止めてもらうことを考えます。ここで重要なのは豆腐に限らなくてもいいというところです。まずは来店をしてもらうという観点でコミュニケーションを考えましょう。

<来店→棚の前>

棚の前に来てもらうのはお豆腐のあるカテゴリに興味を持ってもらう必要があります。今回は豆腐、しらたきなど鍋に必須な食材のエリアに来てもらうために「冬のお鍋フェア」と注意を促し棚へ足を進めてもらえるよう促しています。

<店の前→レジ>

ここまで来ると豆腐を買う気持ちはある程度ありそうですが、そこで「やっぱりやめた」とならないように「割引」で最後の後押しをしています。最後を割引にするのはコミュニケーション的にあまり芸がないですが、割引はかなり訴求が強いので今回はそれで。

<レジ→購入>

商品を手に持ってレジまで進んでいるのであればもう買うだろう、ということでここではコミュニケーションはしません。

これで今回のコミュニケーションの全体像が見えてきました・

まとめ

このようにいったんお客さんの行動・心理状態に合わせてコミュニケーションを考えてみました。これで前回からの話しを含めて考えるとお客さんにどこでどういうコミュニケーションを取ればいいのかイメージが湧いてくるかと思います。

また、これらを見てみると普段何気なくスーパーで見るPOPや陳列なども、深いお客さんの行動分析とコミュニケーションの連続になっていることに気づけるかと思います。

今回のコミュニケーション設計の要点をまとめると、

・購買までの行動を細分化する
・各行動の裏側にある心理状態を考える
・各フェーズから次のフェーズに進めるためのコミュニケーションを検討する

という流れになります。

それぞれのフェーズの細分化、心理状態などは基本的には自分の今までの経験を元に考えていくのが基本です。ぜひ、普段の自分の何かの購買行動などに照らし合わせて考えてみましょう!今回のように購買までの流れを検討・設計することができればコミュニケーション設計に関しては問題ありません。

 

って、んなわきゃない!

 

はい、今回の設計は手落ちがあります。今回のコミュニケーション設計でなんとなくお客さんにどのようなコミュニケーションをすべきかが見えて全体設計ができたような気がするのですが、根本的な手落ち、意図的に省いた流れがあり、これだとコミュニケーションの効果を大きくすることは難しいです。行動の分解→コミュニケーションの検討という流れは良いのですが。。。

なんで難しいのかは次回説明したいと思います。